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映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』:大ヒットアニメの「リビルド」第1弾!逃げちゃダメよシンジくんっ!!

はいどーも!さとる(@blog_satorism)です!!

今回は2007年の映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のレビュー!

エヴァ―ですよエヴァ―。
近年では『シン・ゴジラ』などを監督した特撮大好き・庵野秀明氏が手掛ける、1990年代の終わりに社会現象にまでなった大ヒットアニメシリーズ。

大人たちの企みに利用され、翻弄される少年たちの運命を描くSF作品。

巨大ロボに乗り込み、人類滅亡を阻止するため謎の生命体と戦う物語である一方で、主人公の内面(精神世界)の描写も多く、後年「セカイ系(ポスト・エヴァ)」と呼ばれるジャンルを形成するようになりました。

ぼくがハマったのは旧劇場版の頃なので、当時高校を卒業する頃?にWOWOWで放送されてたヤツを観たのが初めてだったな。いやはや懐かしい。

というわけで、今日は『エヴァ』をレビューしまっす!

さとる
めっちゃハマってたときはDVD全巻買おうかと思ってました
いぬ
結局高くて買わなかったワンね
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逃げちゃダメなんですよ、人生はっ

作品情報

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

監督:庵野秀明
声の出演:緒方恵美、林原めぐみ、三石琴乃 ほか
公開:2007年
上映時間:101分(ver.1.11)
オススメ度:★★★★☆

あらすじ

▲ウジウジな主人公・シンジ君。
いざと言う時は「逃げちゃダメ」だと奮起しちゃうタイプ。
(C)カラー / Project Eva.

「セカンドインパクト」と呼ばれる、地球規模で起こった大災害から15年。

国連直属の特務機関「NERV(ネルフ)」の最高司令官を務める父・ゲンドウに呼び出され、第3新東京市にやってきた主人公・碇シンジは、その途中で「使徒」と呼ばれる謎の巨大生命体を目撃する。
NERV本部へと到着したシンジは3年ぶりに対面した父から、汎用人型決戦兵器・人造人間「エヴァンゲリオン」のパイロットとして使徒と戦えと命じられる。

さとる
ムチャぶりもいいとこですな
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さとる的レビュー

「新劇場版」ってなんですか

▲「エヴァ」を代表する人気キャラ・綾波レイ。
(C)カラー / Project Eva.

1995~96年に放映されたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』全26話+劇場版を、「リメイク」ではなく「リビルド(再構築)」する目的で始まったのが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ全4部作。

その第1作目にあたるのが、本作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』です。

旧作をトレースしてるのは第1作『序』のみで、第2作『破』以降は旧作+オリジナル展開が多くなり、第3作『Q』以降に至ってはもう別モノなので、旧作しか観たことないファンにも新鮮なはず。
最終作『シン・エヴァンゲリオン新劇場版:II』(:IIは音楽の反復記号)まで観た感想としては、きっちり旧作のイメージを内包しつつも違う結末へと帰着させ、かつ旧作から続く「物語」としての落とし前を見事につけたなぁと感じました。

まさに「リメイク」ではなく「リビルド」。

どんな展開になろうと深く作りこまれた世界観の中でのことなので、「エヴァらしさ」が失われずにあの結末へと至らしめた庵野監督は単純にすごいなぁと感心します。

ここから入る方はポカーンかも

▲「エヴァ」のことを「エヴァー」という人。
(C)カラー / Project Eva.

しかし、旧作を知らず、本作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』からシリーズに入る方には取っつきにくいかなぁという印象。

物語は非常にテンポよく進みますが、それは逆に「駆け足気味」とも言えるので、専門用語が多発する序盤から「エヴァってなに?」「パイロットはなんで子どもなん?」「使徒ってなに?」「なんであの女はエヴァじゃなくてエヴァーって言うの?※」といった疑問に対しての説明があんまりないわけです。

使徒と戦う「NERV(ネルフ)」という組織についてもよくワカランし、なんでシンジ君のオヤジはモノリスに囲まれて喋っとんねん!あいつら誰や!という感じになるんじゃないかと勝手に思ってます。

とはいえ、「少年が巨大ロボットに乗り込んで戦い、成長していく物語」という王道パターンではあるので、まずはそれを楽しんでもらえばいいかなと。

しかし、本シリーズの面白さはなんといっても「色んな考察が可能な懐の深いSF」であるところ。

本編中には謎めいた設定や伏線がたくさん散りばめられていたり、「原罪」「死海文書」「ロンギヌスの槍」といったキリスト教的なワードや、「人類補完計画」といった中二心をくすぐるようなワードも多く登場します。
そういった設定の数々は初見だと分かりにくいものなので、鑑賞後にレビューサイトや考察サイトで(エヴァだけに)「補完」することでより深くこの世界観に触れることが出来るのでオススメです。

なので、ポカーンはポカーンなりに「へへ・・・何も知らないまま連れてこられたシンジ君の気分を味わえるぜ」という風に前向きにとらえちゃいましょう。

いぬ
ポジティブシンキングッ!

※ミサト役を演じた三石琴乃さんが「『エヴァ』だと伝わりにくそうだし、『エヴァ―』の方が自然じゃない?」と語っていた模様。
後日「エヴァ」に言い直そうとしたら、スタッフに「ミサトさんは『エヴァ―』なので」と断られてしまったそうです。

で、「序」はどうなんよ?

▲本作におけるロボ、エヴァンゲリオン初号機。
正確にはロボではない。
元ネタは『ナウシカ』の巨神兵なんだとか。
(C)カラー / Project Eva.

本作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は、旧作から細かい部分の変更点はあるものの、基本的には旧作TVシリーズにおける第1話「使徒、襲来」~第6話「決戦、第3新東京市」までをほぼトレースする形になってます。

カット割りなんかは旧作を踏襲する形ですが、すべて新たに描き起こされてますし、新規カットも多く含まれます。
エヴァ初号機の初出動シーンはやっぱりシビれるし、戦闘シーンの迫力も旧作とは比べ物にならないほど向上しています。

ただ、時間的な都合なのかシンジ君の「心の動き」の描写が旧作に比べて簡潔に感じるので、ややネガティブさが際立ってる気もしないでもない。
それは単純に、6話分の長さに対しての本編の長さが短いために削られた部分なのかも。

その分、後半の「ヤシマ作戦」に時間を割いている感じですが、クライマックスだけに盛り上がりっぷりはヤベェので必見です。

あ、でも

さとるの推し、
アスカがいないのは不満です。

※登場するのは次作『破』以降です。

クライマックスのアツさは異常

▲名シーン「笑えばいいと思うよ」。
多くの綾波ファンを生み出した瞬間である。
ちなみにぼくはアスカ派です。
(C)カラー / Project Eva.

本作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のクライマックスは、第6使徒・ラミエル(旧作では第5使徒)との戦いを描く「ヤシマ作戦」。

長距離から狙撃できるビーム兵器を使用するのに膨大な電力が必要となり、「日本中の電力を1点に集めるため、全国で大規模停電に協力する」という内容から、「3.11」後における節電を呼びかける際にもTwitter上などで同作戦名が用いられたりもしました。

旧作においては第5話「レイ、心の向こうに」の後半から、第6話「決戦、第3新東京市」までの内容になります。
旧作の展開がどんな感じだったか今では記憶があやふやだけど、本作における同作戦は全国規模で展開され、流石はクライマックスだなぁといった感じの緊張感たっぷりなものになっています。

ここでかかる印象的なBGMは「DECISIVE BATTLE」。
旧作の頃から使徒との戦闘シーン全般でかかる曲ですが、「ヤシマ作戦」の緊張感にぴったりすぎて印象深かったりします。
庵野監督による実写映画『シン・ゴジラ』でも繰り返し使われていたので、そちらで記憶に残っている方も多いかも。

余談ですが、最終作『シン・エヴァンゲリオン新劇場版:II』の主題歌は宇多田ヒカルさんの『One Last Kiss』。
「イントロを0.75倍速再生するとDECISIVE BATTLEに聞こえる」という衝撃の事実が判明。
宇多田ヤベェ。まじヤベェ。さすがエヴァヲタを自称するだけはある。
これにはオラちょっと震えたぞ・・・こういう仕込みをするアーティストはほんとにスゴいと思う。

詳しくはTwitterからの引用の下記↓を再生してもらえれば分かります。

宇多田さん、いい仕事してますわ

さて、本作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の主題歌『Beautiful World』を手掛けたのは”自称エヴァヲタ”の宇多田ヒカルさん。

これのね、歌詞がまたいいんですわ・・・

有名アーティストに依頼すると、「おまえ本編見てねぇだろ」とツッコミたくなる歌詞を練り上げてくる方もいらっしゃるわけですが、宇多田は違うのよ。きちんと理解している。

歌詞の一節を引用しましょう。

もしも願い一つだけ 叶うなら
君の側で眠らせて

宇多田ヒカル『Beautiful World』より

叶えたいと願っているのに、「君と一緒になりたい」とか「君と一つになりたい」とかじゃないんです。
「君の側で眠る」だけでいいんです。
このあたりがシンジ君っぽくて非常に良いし、恋愛的にもそれ以上は望んでない姿に共感する方もおられるでしょう。

また、本編にはシンジ君の性格を説明するのに「ヤマアラシ(ハリネズミ)のジレンマ(hedgehog’s dilemma)」という心理学用語が登場します。

これはドイツの哲学者アルトゥル・ショーペンハウアーによる寓話が由来で、「ある寒い日、2匹のヤマアラシは暖を取ろうとお互い身を寄せ合うが、近づきすぎるとお互いのトゲで傷つけてしまう。しかし、離れると凍えてしまう。2匹は近づいたり離れたりを繰り返しながら最適な距離を探し出す」ということから、心理学における人間関係を表す言葉となりました。

そのことからも、同曲の歌詞は「人を傷つけたくないし、自分も傷つきたくない。でも、誰かに寄り添っていたい」という、不器用なシンジ君がもつ微妙な心理を短いフレーズでうまく表現していると感じます。
願いが叶わない辛さがあるにも関わらず、「Beautiful World(美しい世界)」と名付けられたタイトルもまた興味深いところ。

ちなみにこの曲は、2008年のアルバム『HEART STATION』に収録されています。
今購入するなら「Fly me to the moon」も収録されている2018年のリマスター版がオススメ。

同曲はジャズのスタンダードナンバーの1つをカバーしたもので、海外ではフランク・シナトラが歌ってるのが有名。
旧作TVシリーズではエンディング曲として用いられ、本作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』ではCM曲等で使われました。

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まとめ:気になるならとりあえず観よう!

と、いうわけで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のレビューでした。

旧作を「再構築」した劇場版ということもあり、少々駆け足気味&元々本編中の説明が少ない作品なので、旧作を観ていない方だと取っつきにくい印象もあります。
本記事中でも触れましたが、初見での意味不明さも「エヴァ」という世界観がもつ深い魅力でもあるので、とりあえずはササッと観る→考察サイトを巡る→再度観直すと良いでしょう。

この記事を書いている時点では最終作『シン・エヴァンゲリオン新劇場版:II』が絶賛公開中ですし、第1~3作はAmazonプライム・ビデオでも配信中です。
「興味はあるけど、今更じゃない?」って思ってる人はとりあえず観るべき。そうするべき。
日本のアニメーションの歴史の中でも特に重要な作品の1つであると思うので、まずは観てみましょう!

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